Vitanza Gym Blog vol.5
しゃがみ込めない子どもたち
〜競技力向上の鍵は「協調性」にあり〜
こんにちは!Vitanza Gym トレーナーの鈴木です。
今回は、近年急増している「しゃがめない子」の正体と、それがスポーツのパフォーマンスにどう関わるのかを科学的に解説します。
お子様のスポーツを見ながら、そんなふうに感じることはありませんか?
実は、その「固さ」や「ぎこちなさ」は深刻なサインかもしれません。
現代の子どもたちは、深くしゃがみ込むという人間として最も基本的な動作すら、危なっかしくなっています。
運動器の健診では、後方に転倒したり、モゾモゾしたりして、うまくしゃがめない子どもたちが急増しているのです。
本日は、お子様の競技力を飛躍的に向上させ、未来の怪我のリスクを避けるための鍵となる「力の協調(コントロール)」について解説します。
しゃがみ込めない子どもたちの実態
2016年から学校で始まった「運動器検診」では、以下の5項目を中心にチェックが行われています。
- 背骨の曲がり(側弯症)
- 腰や肘の動きと痛み
- 片足立ち(5秒以上)
- しゃがみ込み(かかとをつけたまま)
- バンザイして両腕が耳につくか
特に多いのが、「かかとをつけたまま深くしゃがめない」子どもたちです。
しゃがもうとすると後ろに転倒したり、膝に手をつかないと座れなかったり。
これは単なる「体の硬さ」だけの問題ではありません。
スポーツをしていても「しゃがめない」不思議
興味深いことに、幼稚園児や小学1年生では「しゃがめない子」はほとんどいません。
しかし、小学校高学年になると急増します。
さらに、徳島県のサッカー少年団(834名)を対象とした調査では、普段からスポーツをしているにも関わらず、約6.3%の子が後方転倒しました。
つまり、「運動不足だからできない」わけではなく、野球やサッカーを一生懸命やっている子でも、基本動作が破綻しているケースが多いのです。
しゃがみ込めないメカニズム:科学的な推察
なぜ、毎日練習している子がしゃがめないのか?
これを理解するには、筋肉の「3つの働き」を知る必要があります。
- 1️⃣ 縮みながら力を出す(求心性収縮)
例:立ち上がるとき(アクセル) - 2️⃣ 伸ばされながら力を出す(遠心性収縮)
例:ゆっくりしゃがむとき(ブレーキ) - 3️⃣ 長さを変えずに耐える(等尺性収縮)
例:空気椅子で耐えるとき
原因①:力の協調性の欠如(ブレーキが壊れている)
しゃがめない子でも、「立ち上がること」はスムーズにできます。
これは、アクセル(縮む力)はあっても、ブレーキ(伸ばされながら耐える力)のコントロールができていないことを意味します。
「力を入れながら、うまく抜く」という高度な制御ができないため、動作がカクカクしたり、途中でドスンと落ちてしまったりするのです。
この「ブレーキ機能の欠如」こそが、ぎこちない動きの正体です。
原因②:関節が持つ「感覚(センサー)」の鈍化
私たちの関節には、身体の曲がり具合やスピードを感知する「固有受容器(センサー)」があります。
日常生活で大きく動く機会が減ると、このセンサーが錆びついてしまいます。
センサーが鈍ると、脳に誤った情報が送られ、無意識のバランス調整ができなくなります。
結果、筋肉はあるのに、脳がうまく指令を出せず、しゃがむ動作が破綻してしまうのです。
しゃがみ込めなくても問題なし?…ではありません
「野球でレギュラーだから大丈夫」と思っていませんか?
今の小学校では、ジャングルジムや雲梯が減り、マット運動や鉄棒も減少傾向にあります。
その結果、「特定のスポーツの動きはうまいけれど、自分の身体を操る基礎能力(OS)が古いまま」という歪な状態の子が増えています。
この状態で、筋力だけを強化するマシントレーニングを行っても、協調性は育たず、競技パフォーマンスには繋がりません。
しゃがみ込めないことで増す「ケガのリスク」
「ブレーキ役(遠心性収縮)」が機能しないことは、スポーツにおいて致命的なリスクになります。
⚠️ 重大なケガを引き起こすサイン
衝撃を全身で吸収できないため、膝や腰に負荷が集中します。
特に以下のケガは「しゃがめない(協調性不足)」ことと深く関連しています。
- 成長痛・オーバーユース
(オスグッド、シーバー病、腰椎分離症) - 肉離れ
(急停止時にブレーキ筋が耐えきれず断裂する) - 前十字靭帯損傷
(着地時に膝が内側に入るニーイン現象が起きやすい)
スピードは出せるのに「止まれない」「曲がれない」。
これは車で言えばブレーキが効かない状態でアクセルを踏んでいるのと同じです。
将来、競技レベルが上がったとき、この身体のままでは爆発的なパワーに耐えられず、大きな代償を払うことになりかねません。
子どもの体力づくりはVitanza Gymにお任せください!
近年、競技スキルは高いのに「身体の使い方がよく分かっていない」子どもが本当に多いと感じています。
Vitanza Gymでは、スポーツ科学と理学療法の知見を持つトレーナーが、お子様の「センサー」と「ブレーキ」を正しく評価し、育て直します。
・パフォーマンスの向上
・怪我予防
・体育が苦手…
どんな悩みでも大丈夫です。体力づくりは、早く始めるほど効果が出やすいもの。
この機会に、子どもの身体と向き合う時間をつくってみませんか?
まずは体験・相談からどうぞ!
参考文献
- 石井直方ら:筋力強化の基本書.東京大学出版会,2023,218p
- 奈良勲ら:標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野.医学書院,2015,496p












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